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CIA工作員9名を逮捕ーサウジアラビア

Saudi Arabia Jails 9 American CIA Agents After “Day Of Wrath” Putin Warning

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2016年2月1日

ロシア対外情報庁によると、先月初め、ロシア連邦サウジアラビア外務大臣アーデル・アルジュビール氏から接触を受け、サウジアラビア・ロシア関係の改善を図りたいとの申し出があったという。サウジアラビア公式発表において、「ロシアは力ある国であり、国内には2000万人のムスリムが暮らしている。またロシアは、国際社会において重要な役割を担っており、我々サウジアラビアとしては、ロシアとの関係促進を他のどの国よりも優先して深めたいと考えている」との声明を出した。

サウジアラビアのこの申し入れに対して、露大統領プーチン氏は、サウジアラビア政府が米CIAと共にイスラム国を援助していることに関して警告を発すると同時に、ロシアによって近く事態の収束が行われるだろうと伝えたという。

 一方で、ロシアとの関係改善を望み、米CIAと対峙するという姿勢を示すサウジアラビアの真意を試すように、プーチン氏はロシア対外情報庁に対して、サウジアラビア総合情報庁と連携し、サウジ国内にいるイスラム国テロリストおよびCIA工作員の所在情報を、サウジアラビア政府に提供するよう指示した。

上記の情報をロシアから得たサウジアラビア政府は、その後24時間以内に33名のCIA・イスラム国テロリストらを逮捕・拘禁し、さらに現在テロリスト9名が懸賞金付きで指名手配されているという。今回、サウジアラビアの行動において、最もめざましい成果と思われるのが(上記9名のテロリストを訓練・操作していた)9名の米国籍CIA工作員を逮捕・拘禁したことだという。

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アメリカ合衆国政府はロイター通信に対し、サウジアラビア政府によって逮捕・拘禁されているアメリカ人9名がテロリストであるのか、現時点では確証できず、現在テロリストのデータベースと照合中であると発表した。

このサウジアラビアの突然の行動、オバマ政権との決別、9名のアメリカ人CIA諜報員を拘禁するという「過激な転換」の背景には、先週プーチン政権が、BBCへ公にされていなかった国連の報告書をリークした事があるという。この報告書の内容は、現在サウジアラビアを中心に行われているイエメンへの攻撃の中で、意図的に一般市民が標的にされているというものであった。シーア派の武装組織フーシと戦うためであると、イエメンに攻撃を開始したサウジアラビアであったが、国連の報告書によると、サウジアラビア連合軍は一般市民を標的として「広範囲かつ組織的」に爆撃を行い、また戦略として市民を「餓死」させてもいるとし、これらの行為は「人間性に対する犯罪」であると述べている。

このようなロシアの動きに加えて、サウジアラビアがさらに警戒している事がある。 それは、現在クレムリンで行われている、イラン外交問題担当顧問アリーアクバル・ヴェラーヤティー氏との会談である。ロシアとイランは、原油生産の分担について話し合っており、2国が手を結ぶ事になれば、サウジアラビアの地位は落ち込み、そして同時に経済崩壊の瀬戸際に立たされるということである。