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米によるクルド人地域への使節派遣ートルコ・エルドアン大統領が強く非難

Erdogan Blackmails Washington Over US Cooperation With Syrian Kurds | Veterans Today

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、アメリカ政府がシリアのクルド人勢力と対話を行う為、使節団を派遣した事に対し、これを強く非難した。

米大統領特別大使代理ブレット・マクガーク氏を代表とする使節団は、クルド民主統一党(PYD)軍事部門代表者と会談するため、シリア北西部の都市コバニへ派遣された。

AP通信によると、エルドアン大統領は、トルコ政府がテロ組織とみなしているクルド民主統一党(PYD)に使節団を派遣したオバマ大統領に対し「あなたは、私と同盟を組んでいるのか、それともテロリストとなのか」と不信感を表したという。

クルド民主統一党(PYD)は、現在トルコ政府がトルコ南西部において戦っている、クルディスタン労働者党(PKK)と結びついているといわれている。

昨年、アメリカ政府はPYDの軍事部門であるクルド人民防衛隊(YPG)と協働し、空爆支援を行い、コバニからイスラム国を撃退した経緯がある。

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YPGの女性兵士たち

 トルコ政府としては、たとえシリアのクルド人組織がイスラム国と戦っていても、彼らがテロ組織ではないという説明にはならないという立場だ。エルドアン大統領は、米副大統領ジョー・バイデン氏との会談において、PKKとPYD、そしてイスラム国の間に差異は見られないと述べた。それまでに、トルコ軍はトルコ南東部の都市ディヤルバクルにて、PKKとの間で激しい戦闘を行っていた。

トルコ国内の緊張が高まったのは、2015年7月都市スルクにて、33人のクルド人活動家が自爆テロによって殺害され、その後、報復と見られる2名のトルコ人警官の殺害がPKKによって行われた。これをきっかけとして、トルコ政府はPKKへの軍事行動を開始した。2015年11月に、トルコ当局はPKKと戦闘が続いている南東部の数都市に対し夜間外出禁止令を発令した。

クルド人は、トルコ国内で最大の少数民族で、分離独立を求めている。PKKは1970年代末に、抑圧されていたクルド人民族自決権を求め結成された組織である。